【賈言羽】(かく)・・・・『劉表は、平和な時代なら「三公」に成れる人物であるが、事態の変化を見抜く事が出来ず、猜疑心が強く、決断力が無い故、何事も成し遂げられないであろう』
【王粲】・・・・『劉表は、荊楚の地域で悠然として、じっと時代の変転を観望し、自分では西伯(周の文王)に成れると思い込んでいる。動乱を避けて荊州に赴いた人物達は全て天下の俊才傑人だが、劉表は任用すべき人物の見分けがつかず、そのため国は危ういのに、輔佐が居無い。』
【毛王介】(もうかい)・・・・『劉表は、士大夫や庶民 その数多く、強力であるが、将来を見通す思慮を持たず、基礎を固める事もしていない。政令もいい加減だと聞く。』
【荀攸】・・・・『天下に騒動が起こっているのに、劉表は長江・漢水を保持して動こうとしない。彼が周囲に対して野心を持たぬ事は察知できる。』
【郭嘉】・・・・『劉表は、劉備を任用できないに違い無い彼はただ、座って議論して居る人物に過ぎ無い。(座談ノ客耳)自分で劉備を統御するだけの才能が無い事を弁えている。劉備を任用すれば恐らく制御できないだろうし、軽く任用すれば働こうとしないであろう。』(だから、国を空にして、北方へ遠征しても心配は無い。)
【傅子】書・・・・『劉表が「劉望之」を処刑したあと、荊州の士人は皆、危険を感じた。そもそも、劉表の本心は彼を軽視している訳では無かったが、彼の率直な発言が劉表の感情に逆らった為、殺したのである。讒言が付け込めたのは、率直さを受け入れる度量が無かったからである。』
【陳寿】・・・・
最後に、やや時代が上った『後漢書』の評価も
都・長安(洛陽から強行遷都)から遙々と遣って来たのに州政庁へも立ち寄らずに、直に現われた新長官の出現に、「3人」ともビックリした。と同時に、自分達を頼りと見込んで呉れた、新任長官への好意を抱かずには居られ無かった。彼等とて、野心の固まりである。混沌状態の荊州の地で己の地歩を更に拡げるには
翌年(191年)末、北方に居座っていた『袁術』が、
ここで我々にとって、真に問題となり、かつ最大の課題とすべきは・・・・一体、劉表は・・・・
さて、その『後継者問題』である。劉表は、先妻との間に長男の【劉g】をもうけていた。(その先妻は病死なのか謀殺されたかは判らないが)後妻と成ったのは、将軍・『蔡瑁』の実の姉である。当然の事ながら、蔡瑁の方から勧めた政略結婚であろう。劉表にしても、股肱と頼む軍権の統帥者・蔡瑁との関係が深まる、結構な話であった。(蔡瑁の風貌の既述から推して、その姉である蔡夫人も美人であったろう。)
『対外問題』・・・・即ち、「対・曹操戦略」を巡っても、
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