4月2日    お兄ちゃんの入学式
仁、北中(岡谷市立北部中学校)。 美佐子、小井川(小学校)。
朝の忙しさ大急ぎ。おはぎ作り、持って丸房へ寄る。背中の保美の重い事。仁ひと足先へ、母と美佐子と後から。四組今井先生に受持って戴く。講堂で話中、廊下で保美 遊ぶ。 大忙しに丸房で昼食戴き、仁・美佐子、小井川校へ。母、後で、大やさんになる家へ寄り、ゆっくりしてくる。
何しろ毎日毎夜おそくまで来客の絶える無し。一か月以上、十二時過ぎ一時二時に寝る。すっかり父も母も、みんな疲れる。
入浴は下諏訪へ行く。保美はじめは入るが、そのうち上でいたづらが出来るので、なかなか入らぬ。

4月某日
日記も なかなか つけられぬ 忙しさ。
靴を 座敷まで 履いたまま 上がって 平気の やすみちゃん。


4月14日   (満2歳の誕生日)
小井川へ来て初めて三沢へ行く。仁、美佐子、荷車ひいて行き、母バスで。兄ちゃんの方が早かった。祖父母、大きく成ったのを驚く。御祖父ちゃんお祖母ちゃんに「こんにちわ」をする。両足を投げ出して、すっかり平びったくなって手を突いてペコペコ頭を下げる。帰りにも ちゃんと 「ありがと」 して来る。


4月21日
長靴を知らぬ間に一人で履いて来る。それ過ぎも時々一人で履く。つかまる所へ持って行って履く。水汲む柄杓を持って立て、マイクの様に口を当てて、「みなさま、みなさま、せんきょ、せんきょ。」・・・ 大人が考えられぬ事をするのに驚く。実に 上手く真似るのに 呆れる。頭の良さを張合よく思ふし、口も
はっきり きく のに 驚く。


4月25日
ふさえさんのお母さん、さよならして行ったら、外で一人で居て、「またきてね」と云っていて驚く。たっつけ(モンペ)取ったら一人で着物を捲って、チビチビあちこち、しっこしてみる。面白いらしい。


4月26日
来客に茶を入れて話しているうち、外でよい子で遊ぶが母の心配。心ここに有らざる。話をして居ても保美の事のみ思ふ。何処かへ行ったのかと大心配したら、よい子でコロコロ遊んでいた。近頃、昼間は沢山眠らず。22日過ぎたら、選挙のお祭り騒ぎが 無くなって、昼間 しばらくは 寝る。


4月27日
朝、大泣きに泣く。何で泣いたのか分からず。おんぶばかりしたがる。昼食も食べぬので、そのうち よく見ると、唇を上下切って 血が滲んでいた。それで気持ちが悪く、ぐざるのか?泣いて泣いて泣き喚き、やっと騙すのに一苦労。昼過ぎも背中で、母へとへとになる。皆が帰って来たら急に元気で嘘の様だった。大きい毬を直してもらい大元気。


4月28日
小さい時の事を思い出す成田様、今日はお祭り。朝から外で父の後を追ふ。ゴムへ色の水を入れたのを子供みな持って遊んでいたら、背中で見ていて「アイス ボンボン」と云ふ。何時の間に覚へたか驚く。歩くと思い、若宮まで御用に行ったが、一寸も歩くどころか、母の背中に手掛けでいるので、母ようよう帰るが疲れてしまふ。配給所で保美を計ってみた。ポンドの上でびっくり赤い顔をしている。三メ四百匁(12、75kg)。外でばかり遊びたがり、美佐子疲れる。


4月29日
午後からお子守お願いして信濃境の小林のおばあちゃんのお墓詣に行く。何だか空身(単身)で 変てこだ。帰りも 上諏訪へ寄ったが、欲しい物だらけだが 財布の口を しっかり掴んで、アメ少々買ったのみで帰る。
父の背中で三時間半も眠った由。晴れ晴れした顔で遊んでいた。父、背中で眠り下ろそうとしたら、そっくり返り 「まあこ、まあこ」 と云った由。(それで)とうとう背中で一眠り。父、腰や背が痛いとのこと。


4月30日
県会議員選挙で学校休み。下座敷の畳を出して大掃除した。洗濯も沢山して(兄姉の)子守があるので、大仕事が出来る。 (その代わり) 美佐子も仁も家の中へ入りたくても、保美が遊びに出て(しまうので)、へとへとに疲れてしまふらしい。 しっかり両手を母の懐へ入れて乳首をギュッと掴んで寝る。
ぐっすり眠らぬので、おしっこかと思い、抱いて、やってやろう とすると、そっくり返って 泣いてやらず、又床へ入り もじもじ。やっと やる気になるらしい。やると、ぐっすり眠る。










         
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